敬語は本当に大切?ビジネスにおける敬語の重要性



相手によって使い分ける必要のある「敬語」は、本当に必要なのでしょうか。
今回は、特にビジネスでの利用に焦点を当てた敬語の利点・欠点について解説します。

敬語は第一印象を決める重要な言葉

人に道を訊かれた場合、敬語とタメ口では印象が全く変わります

敬語は「自分はどのような立場か、相手をどう思っているか」を表すことができます。

例えば、知らない人から突然「道わかんないから教えて」と話しかけられたら嫌ですよね。
自分のことを軽く見られているようですし、そうでなくても距離感が適切でないため、良い印象を抱きません。

ですが、「すみません、道を教えていただけますか」と言われると、わだかまりは少なくなります。

他にも、「田中先生いる?」より、

  • 田中先生はいらっしゃる?尊敬語
  • 田中先生はいますか?丁寧語
  • 田中先生はいらっしゃいますか?尊敬語 + 丁寧語

のような言い方ですと、田中先生や聞き手に対する敬意が一言で分かります。

過剰な敬語

敬語が大げさすぎると理解されづらくなります

過剰な敬語は、利点である気持ちの表現が逆に見えなくなり、また長文になるため言葉や文章の意味が伝わりにくくなります。
例えば先方に「してもらえると嬉しい」と伝えたい場合、
なさっていただけますと恐悦至極に存じます」だと、発言の内容が伝わりにくくなります。
していただければ幸いです」だと、大抵の状況において適度な敬語ですし、意味もすぐに理解できます。

ただし、非常に格式の高い状況や重要なお願いの場合は、適切な敬意にした、
していただけると恐悦至極に存じます」や「していただけると幸甚です」などが好ましいです。

このように、一つの文にできる限り尊敬語謙譲語を入れることが、必ずしも最善とは限りません。
また、丁寧語も同様で、例えば文章によっては「つきまして」や「関しまして」だと読みづらくなるので、あえて「ついて」や「関して」にするなど、文の一部に敬語を用いず、簡潔にした方が読みやすい場合もあります。

敬語の欠点

同じ敬語でも年齢層によって印象が異なります

敬語の欠点は、地域や世代によって意味合いが変わることです。
例えば、「おられる」という言葉は、西日本の方言「おる」に尊敬語の「れる」を組み合わせた「正しい敬語」だと考える人がいますし、謙譲語の「おる」に尊敬語の「れる」が組み合わさっているので「間違った敬語」だと考える人もいます1。更には単なる丁寧語だと考える人もいます2

他にも、2018年の調査によると、「ご丁寧に」という言葉は、若い世代(20〜30代)には「丁寧に」よりも敬意が高い認識ですが、40歳以上の人には嫌みっぽく感じる傾向にあります3

これらのことから、嫌みや無礼だと勘違いされる言い回しは避け、地域によって敬意の度合いが変わる敬語は注意して用いる工夫が必要です。
ちなみに、「おられる」は「いらっしゃる」と言い換えることができます。

ビジネスにおける敬語の重要性

文章における敬語の重要度は会話よりも高いです

記事の最初に「敬語は第一印象を決める重要な言葉」と書きましたが、ビジネスでは初対面より先にメールでの交流をすることが多々あります。

敬語は円滑な関係を築くためのものですが、会話においては、特定の職業や、敬語に厳格な相手でもない限り、正確な敬語の使い分けが求められる状況は多くありません。
会話では話し方や表情など、敬語以外でも様々な情報を伝えられるためです。

相手のすることに謙譲語を用いてしまうなど、嫌みに聞こえてしまうような言い方には気をつける必要がありますが、「おっしゃられる」のような二重敬語くらいで機嫌を悪くされることは滅多に無いでしょう。

しかし、文章の場合は別です。
文章が伝えられる情報の全てである場合も多く、敬語の使い分けの重要性が高くなります。
まだ会ったこともない、どのような人かも分かっていない相手からのメールに、敬語や日本語の間違いが多々あれば、「この人は新卒か、インターンシップ中の学生かな…」と判断されるのは当然のことです。
逆に、正しく、その状況において適切な敬意を込めた敬語であれば、会う前から印象が良くなります。

PR:敬語翻訳で楽々敬語変換

敬語.jpの姉妹アプリ「敬語翻訳」なら、「おっしゃられる」のような二重敬語も自動修正。
敬語を一覧から選ぶことで、簡単に敬語の文章を作成できます。

ダウンロードはこちらから

出典


  1. 「先生は、おられますか」は、間違い? NHK放送文化研究所 ↩︎

  2. 「おられます」 NHK放送文化研究所 ↩︎

  3. 「丁寧に」? 「ご丁寧に」? NHK放送文化研究所 ↩︎